2009年12月10日木曜日

TBS「噂の! 東京マガジン」、中野区を取材























去る12月9日、TBS「噂の! 東京マガジン」が中野区など東京都内の「都市計画マスタープラン」の現状と問題点の取材で、警大跡地を取材しました。

私たち、警大跡地市民フォーラムも積極的に取材に協力しました。

さて、TBS「噂の! 東京マガジン」は、毎週、日曜日午後1時から放送されています。

司会は、森本毅郎・小島奈津子、中野区の取材は、清水國明さんでした。

清水國明さんは、福井県出身の国際A級ロードレースライダー・タレント・歌手・作家・冒険家で、アウトドア愛好者として有名。

現在、セカンドライフとして、河口湖で自然暮らしを実践中です。

今回の中野区などの取材は、12月20日(日)午後1時から放映されます。

みなさん、どうぞご覧ください。

これまでのTBS「噂の! 東京マガジン」の「噂の現場」報道内容

2009年12月6日放送 神様を見おろしてイイの? 神社の境内に高層マンション

2009年11月29日放送 ゴミ施設で争い18年 今も続く住民の健康被害(杉並区)

009年11月22日放送 年が越せない! 急増する住宅ローン破綻

2009年11月15日放送 お宅は大丈夫!? 相次ぐ破裂事故!こんな消火器が危ない!

2009年11月8日放送 玉川上水の危機 緑と車の共存はなるのか!?

2009年11月1日放送 運転やめる? やめない? 高齢ドライバー それぞれの事情

2009年10月25日放送 墓地の真ん中に道路計画(千葉県佐倉市)

2009年10月18日放送 急増! 都市型難民 低所得者高齢化の悲鳴(群馬県渋川市)

2009年10月11日放送 第3セクター破産! 公募の社長と市の深い溝(千葉県白井市)

2009年12月6日日曜日

裁判関係の書庫を公開しました

みなさま

警大跡地市民フォーラムは、東京都中野区の警察大学校跡地の開発問題を考える市民の集まりです。

すでにブログを開設して7ヵ月になり、東京都と中野区を被告にした裁判も、東京地方裁判所で進行中です。

このたび、裁判等に関連した資料を公開するためのブログ「警大跡地市民フォーラム書庫」を開設しました。

ブログ右上の「ブログ アーカイブ」が索引になっており、訴状や準備書面などをご覧いただけます。

多くのみなさまの、ご理解とご協力をお願いいたします。

2009年12月6日

警大跡地市民フォーラム

2009年11月29日日曜日

第2回口頭弁論終了















傍聴した方が描いてくれた法廷スケッチ 原告団のプレゼンの様子です
















弁護士会館で行われた報告集会
裁判のあとは毎回、弁護団から裁判の説明を受け、出席者の方との質疑応答、意見交換などをしています


 11月27日(金)、防災公園の面積縮小は違法だと中野区を訴えている裁判の第2回口頭弁論がありました。

 延びていた原告団のスライドプレゼンテーションも無事できました。上の絵は、傍聴していた方が法廷での様子をスケッチしてくれたものです。裁判所のプロジェクターに原告団のパソコンをつなぎ、原告席後ろの壁をスクリーンにして、操作者と説明者の2名でプレゼンを行いました。法廷内の撮影は禁止されているので、このような形でみなさまにご報告できるのはとても嬉しいですね。昨日はちょっとドキドキしながら、こんな風にプレゼンしました。


 プレゼンの後、裁判官から中野区に対して、来年1月22日までに以下の点について補足するよう指示がありました。

○避難場所の指定について法律、条例上の根拠となるもの。
○一般的な避難場所指定の意味(避難場所指定の効果)と、中野区役所一帯における避難場所指定の意味。
○地区計画変更の過程で避難場所はどのように考慮されたのか。
○避難有効面積を民有地を含め3.5ヘクタール確保するといっているが、確保の考え方が抽象的である。現在民有地のどの部分を確保しているのか、確保できていない場合今後どのような措置の計画があるのか。
○事実関係を法律的にストーリーとしてまとめたもの。

 この中には、これまで住民が中野区に対して説明を求めてきたもののきちんとし た回答を得られていないものもあります。中野区は本来ならば法廷でなく、住民説明会などで説明責任を果たすべきだったと思います。

報告集会出席者の方のご意見・ご感想

 裁判終了後、隣の弁護士会館に移動して報告集会を行いました。
 弁護団からは、「中野区からの書面は訴訟要件についてのみで、1人1㎡の避難 面積が確保できないのではないかについての反論がでていない。本案に対しての質問、資料要求はうやむやにされないよう繰り返し要望していく」という方針が述べられました。

出席者の方々からご意見や感想をいただきましたのでご紹介します。

●警大跡地の訴訟では、映像による説明が不可欠だと思いました。
●避難有効面積が民有地を含めて3.5ヘクタールになるというのは初めて聞いた。
 なぜ今までこのことを明らかにしなかったのか、本当に3.5ヘクタールなのか を 裁判で明らかにしてほしい。
●広い防災公園になることを望んでいます。
●中野区に対して出来るだけ早く審理に協力するよう要求すべきではないだろう か。
●傍聴席が満員でよかった。
●プレゼンテーション、内容がよくまとまっていてわかりやすかったです。
 この中味について被告側とやりとりができたらよかったけど、報告集会でそれが出来ない理由がわかりました。

※原告団のプレゼンは、中野区で地震災害時は火災の危険度が高いこと、危険度の高い場所を横切って避難場所に行かなければならない地域があること、1人1㎡の避難面積が現実味のない数字であることなどを実際に検証したりして、スライドにまとめたものです。(警大跡地市民フォーラム注)


次回裁判の日程は次のとおりです。

2010年2月5日(金)10:15~  東京地裁522号法廷

ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

2009年11月18日水曜日

11月27日(金)、第2回口頭弁論            原告団、映像でプレゼン



警察大学校等跡地にできる防災公園の面積が4ヘクタールから1.5ヘクタールに縮小されたのは違法だとして中野区を訴えている裁判の第2回口頭弁論が、11月27日に行われます。

ここで一つご報告があります。

9月4日の第1回口頭弁論のお知らせで、原告団が意見陳述と映像によるプレゼンをしますとご案内しましたが、前回は手続き上の理由から意見陳述だけになり、スライド上映は延期になりました。

そのため27日に、今度こそ本当にプレゼンを行います。

計画通りに開発が進んでも避難場所は安全なのか、中野区が主張する1人1㎡の避難面積は果たして妥当なのかなどについて検証したものです。

みなさま、どうか傍聴をお願いします。


■第2回口頭弁論■

2009年11月27日(金)10:15~
東京地裁522号法廷

2009年11月17日火曜日

2009年10月18日日曜日

「だから、私たちは裁判することにした」 第1回口頭弁論で意見陳述





















今回の意見陳述とともに、警大跡地の貴重な木々の写真を数枚のパネルにまとめて、裁判官と傍聴者の方々に見ていただきました

 2009年10月16日、中野・警察大学校等跡地(JR「中野」駅そば)の開発計画の取消しを求めている裁判の第1回口頭弁論で、原告住民が意見陳述しました。

 次回口頭弁論は来年2010年1月22日(金)に開かれます。

意見陳述書

2009.10.16

 私たちは「中野4丁目地区地区計画」内の警察大学跡地に隣接した住民です。

 この警大跡地には戦前は陸軍、戦後は警察関連の施設があり、緑ゆたかな広い空間は周辺の空気を浄化し、気温を調整し、周辺住宅地の環境保全に大きく貢献していました。春は桜、夏は緑の涼風を、秋はモミジやイチョウが目を楽しませ、冬は雪景色も美しい樹林が沢山ありました。子供の頃は警察大学校の庭やグランドで自然に遊ぶこともできました。私たちは、この原っぱで花をつみ、虫をつかまえて育ちました。1000本を超える樹木、昆虫、鳥なども数多く生息し、都会では珍しい貴重な生態系の宝庫で、鳥の声、せみしぐれに目が覚める恵まれた環境でした。

 警察関連の施設は、2001年に首都機能の一極集中を解消するために移転しました。同年、跡地利用を検討してきた東京都、中野区、杉並区の三者は「移転跡地土地利用転換計画案」に合意しました。この計画案は4haの防災公園と、周辺環境へ配慮した緩衝地帯をもつ清掃関連施設用地2haを合わせると実質的には合計6haの公園緑地となり広域避難場所の核にするという内容でした。

 ところが、2004年に田中大輔・現中野区長が発表した計画に私たち住民はびっくり仰天しました。住民の安全とやすらぎのための公園とは180度違う、周辺住宅地の環境を破壊するとんでもない、まちづくり計画でした。

 以前の計画のゴミ処理施設は廃止になりました。しかし、公園は否定されたわけではありません。いざというときには私たちの命を守ってくれる広域避難場所の中心として期待していました。もっと広い公園になるとばかり思っていた警大跡地がいつの間にか高層ビルが何棟も建つ六本木ヒルズのような開発計画になっていたのです。


 中野区の市民グループが公園にしてほしいという署名を集め始めました。私も早速、中野区議会に生まれてはじめて陳情をだしました。高円寺北一丁目の約300世帯にアンケートをお願いしました。138軒の回答の約90%が「1)公園にしてほしい 2)樹木を残してほしい 3)高層ビルの建設や民間開発には反対」という結果でした。中野区が開催した説明会では2001年の三者合意の計画にある4haの公園が「中野駅周辺まちづくり計画」では1.5haになったのは納得できないという声がゴウゴウと上がりました。

 私たち、中野区と杉並区の住民は、中野区議会始まって以来、前代未聞の130もの陳情と1万4000筆の署名を提出し、パブリックコメントも387通、この他要望、質問、交渉などは数知れず、中野区に訴えつづけました。また、東京都、財務省、国交省、杉並区にも何度も足を運び、都議会、国会議員にも話しを聞いていただきました。


 しかしながら行政は形式だけの説明会、パブリックコメント等の手続きを次々と進め住民の要望、意見を全く反映せず、強引に都市計画決定をしました

 公園から高層ビル街へと変わる重大な変更を、中野区は広報に載せただけで済ませ、積極的にPRしなかったため、住民もほとんどが知りませんでした。例えば、中野区の当初の説明では、公園と一体化するはずだった中央中学校の校庭の南側には公務員宿舎の高層ビルが入り公園と分断されることになりました。同校の校歌の一節に、


「富士を見晴らす 西空映えて

語る夢も 友情燃えて
中野中央 この庭高く 明日待つ光」

とあります。

 しかし、現在の開発計画が進行すると「富士」は見えず、「この庭」も周囲の巨大ビルに見下ろされ、生徒の「友情」もかすんでしまいかねません。住民不在のまま、計画が区主導で変更されたことに私たちは不信感を持たざるを得ません。


 2007年に跡地の売却処分が決まった時、開発条件として公にされた「中野駅周辺まちづくりガイドライン2007」のなかには周辺の住民に配慮した内容がいくつかありました。樹木をなるべく多く保存する。公園と開発業者のオープンスペースは一体化する。建物の高さは杉並側に向けて階段状に低くする。隣接低層住宅地との間に緩衝地帯を設けることなどです。周辺の住環境の悪化を憂慮した杉並区が、2004年に中野区に出した6項目の要求に基づいた内容が反映したものです。しかし、これらの約束は、2009年の都市計画変更により、ほとんどが反故にされ容積率もアップされました。

 私たちは特に、文章と図面によってはっきりとガイドラインに明記された緩衝地帯が無くなっていることなどを不服として、この地区計画に対して訴えを起こしました。


 東京都は都市計画の決定権者として、中野区が中心となってこれまで進めてきた当計画について、その妥当性について精査しチェックする監督義務がありました。その義務を十全に果たさず、私たち住民の願いを顧みることなく地区計画の変更を行った東京都を私たちは許すことができません。


 このまま計画が進めば、私たち周辺住民が長年、親しんできた警大跡地のほとんどがコンクリートに覆われてしまいます。地域住民のため子孫のために再び守りたい。地球温暖化や都市の荒廃を招く経済優先の乱開発はもうやめてほしいと心から願っています。


 以上で私の陳述を終わります。


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2009年10月13日火曜日

10月16日、もう一つの裁判が始まる

ブログ右上の「裁判日程」のご案内、みなさまお気づきでしょうか?

中野・警察大学校等跡地(以下警大跡地)の行政訴訟は、中野区と東京都を相手取り、中野区と杉並区の住民が現在、2つの裁判をしています。

チラシにある通り、中央部に出来る防災公園の面積を4haから1.5haに縮小したことは違法だとして中野区を、警大跡地の開発は周辺環境を悪化させる計画だとして東京都を訴えています。

住民としては裁判を2つ抱えたかったわけではありませんが、誰(どこ)を訴えるのか、何(争点)を訴えるのかが同じでないと裁判所が判断したため、結果として2つの裁判が進行しています。

警大跡地を含む約18haの開発は、住民から見れば同じ地区内の開発であり、避難場所の観点からも、計画による環境への影響からも、防災公園とその他の地区で分けられるものではないように思います。

でも、「トシケイカク」では、防災公園の都市計画決定権者は中野区で、その他の部分は東京都に区別されるなどの理由から、私たちは2つの裁判を闘っています。

みなさま、2つ目の東京都に対する裁判が、10月16日金曜日に始まります。
第1回目の今回は、意見陳述で、長年警大跡地のそばに暮らしてきた住民が、警大跡地がどんなところなのかという場所への思いと、計画がいかにして進められたか、また、計画によって何が失われるのかなどを裁判官に訴えます。

どうか傍聴をお願いいたします。

10月16日(金)10:45~ 東京地裁522号法廷

終了後、隣の弁護士会館10階1005号会議室で報告集会を開きます。
















弁護団との質疑応答や、意見交換などを行いますのでぜひご参加ください。

2009年10月5日月曜日

鞆の浦勝訴おめでとう! 中野・警大跡地訴訟も続こう























鞆の浦訴訟の訴状表紙


すでにニュースでご存知の方も多いかと思いますが、広島県福山市鞆港の埋め立て免許の差し止めを求めて住民が起こしている「鞆の浦の世界遺産登録を実現する生活・歴史・景観訴訟」の判決が10月1日、広島地裁で言い渡され、原告住民が勝訴しました。

鞆の浦といえば、万葉の歌にも詠まれ、朝鮮通信使が「海東第一」とその美しさを賞賛した港湾です。また、誰しも一度は聞いたことのある箏曲「春の海」(1929)は、箏曲演奏家・作曲家の宮城道雄(1894-1956)が、8歳で失明する前に祖父母に育てられて目に焼きついた瀬戸内の福山市鞆の浦の海をイメージして作ったものです。

この歴史的港湾である鞆の浦の景観について、広島地裁・能勢顕男裁判長は「文化的、歴史的価値があり、国民の財産というべき公益で、事業が及ぼす影響は重大。埋め立て架橋計画は合理性を欠いている」と判決で述べたようで、「『景観利益』保護のために大型公共事業を差し止める初の司法判断」(東京新聞)という画期的判決がでました。

ちなみに、鞆の浦の訴訟弁護団で事務局長を務めているのが、私たち警大跡地訴訟弁護団長の日置雅晴先生です。

日置弁護士を中心とする弁護団とともに、警大跡地訴訟の原告団も、会員やサポーターの方々と一緒に、行政裁量、都市計画の処分性という司法の大きな壁に挑んでいます。

どうか、今後ともみなさまのご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。

2009年9月29日火曜日

東京建物グループに近隣住民が説明会要望書を提出













9月7日、東京建物グループが開催した建築計画説明会で配布されたパース(文字は警大跡地市民フォーラム) 想像してください。この場所には今、視界を遮るものはありません















現在工事が進んでいる区域の位置図。区域5は既存建物の解体工事中で、区域4、5とも本体着工予定は2010年3月

◆6月~9月に3回の説明会

6月22日の都市計画決定後、警大跡地では都市計画道路と区画道路、そして、中野駅前開発特定目的会社(以下、東京建物グループ)が取得した区域4、5で工事が進んでいます。

位置図では、道路部分を青で、区域5を赤い点線でお示ししています。

6月、8月、9月に道路整備工事、建築計画の説明会が開催されましたが、こうした説明会はほとんどが、最初に事業者・施工者の説明を30分から45分くらい受けたあと、質疑応答という内容で進行します。

しかし、質疑応答の時間は45分から1時間くらいで、しかもできるだけ多くの人から意見や質問を聞けるようにと「1人2つまでで、手短かに」という条件付き。

確かに会場の時間等に制約があることは分かりますが、回答が答えになっていない場合の再質問や、回答によって新たな疑問が出た場合など、十分にやり取りができません。

しかも、挙手している参加者がいても時間になると打ち切られてしまい、参加者からの再度の説明会開催の要請には、個別に対応するという返事です。

◆住民には初めての経験

近隣住民にとっては、既存建物の解体工事や道路の整備、汚染土壌の入替え、下水道、樹木の移植・伐採、建築工事など、今後さまざまな工事が何年にも亘って続くことになります。

警大跡地の場合、事業者は中野区、東京建物グループ、3つの大学(明治、帝京平成、早稲田)といくつもあり、事業者にはこうした経験の積み重ねがありますが、多くの住民にとっては初めての経験です。

1時間半の説明会では到底理解できるものではありません。

◆「東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」

最初に建築工事が始まる東京建物グループの説明会は、9月7日、「東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」に基づいて行われました。

この条例の第6条第1項には「建築主は、中高層建築物を建築しようとする場合において、近隣関係住民からの申出があったときは、建築に係る計画の内容について、説明会等の方法により、近隣関係住民に説明しなければならない」とあります。

警大跡地の近隣に居住する中野区と杉並区の住民の方たちが9月17日、7日の説明会では住民の疑問や不安に答えきれていないと、この条例に基づいた説明会の開催を求める要望書を東京建物に送付しました。

◆開発された後のまちに住み続けるのは誰か

仕事として事業をする度に情報が集まり、そのノウハウを積み重ねていく事業者と違い、開発への対応はほとんどの住民にとってゼロからのスタートです。

しかし、開発された後のまちに暮らし続けるのは住民です。

中野区も東京都も事業者も、そのことに、もっと思いをめぐらせてほしいと思います。

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鹿島,大成,戸田が参画/2009年度の着工目指す/中野警大跡複合開発
2008年12月10日 08:01 日刊建設通信新聞

2009年9月13日日曜日

区議会への提訴の報告は、口頭弁論の日に行われていた

中野区と杉並区にまたがる警察大学校等跡地に整備される防災公園の面積が、4ヘクタールから1.5ヘクタールに縮小されたのは違法だとして、中野区と杉並区の住民からなる原告団が、5月21日、中野区を相手取って裁判を起こしたことはすでに報告の通りです。

この提訴について中野区議会に報告されたのは、9月4日でした。

そう、この日は第1回口頭弁論があった日でした。

下記は、提訴について報告された「中野駅周辺・西武新宿線沿線まちづくり特別委員会」の資料です。

なお、原告は資料では4名となっていますが、現在8名です。

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平成21年(2009年)9月4日
中野駅周辺・西武新宿線沿線まちづくり特別委員会資料
都市整備部都市計画担当
まちづくり推進室拠点まちづくり担当

区を被告とする訴訟の提起について

1 事件名

都市計画決定違法確認請求事件(東京地方裁判所平成21年(行ウ)第253号)

2 当事者

原告 中野区民2名、杉並区民2名
被告 中野区

3 訴訟の経過

平成21年(2009年)5月21日 東京地方裁判所に訴えの提起


4 請求の趣旨

(1)被告区が平成19年4月6日付けで告示した中野中央公園の面積を約1.5ヘク

タールとする都市計画決定が違法であることを確認する。

(2)訴訟費用は、被告の負担とする。

5 原告が主張する請求原因の要旨

(1)原告らは、中野区警察大学校等跡地(以下「本件敷地」という。)の近隣に居住し、あるいは不動産を所有しており、周辺地域で火災が発生した場合には中野中央公園へ避難することが予定されているとともに、本件敷地に建築物が建設されることにより日照を阻害されるおそれがある。

(2)都市計画法第18条の2第4項において、区市町村の個々の都市計画決定は、当該市町村で定める都市計画マスタープランに即したものでなければならないことを規定している。

(3)一方、都市緑地法第4条の規定により策定された中野区みどりの基本計画は、その計画の法的性格は中野区都市計画マスタープランの一部をなすものとされており、中野区みどりの基本計画には、4ヘクタールの公園を広域避難場所として本件敷地に都市計画決定することが明記されている。

(4) したがって、被告区が平成19年4月6日付でした中野中央公園の都市計画決定は、その面積が約1.5ヘクタールしかなく中野区みどりの基本計画すなわち中野区都市計画マスタープランに反するから、都市計画法第18条の2第4項の規定に反し、違法である。

(5)よって、原告は、被告区に対して、本件都市計画決定が違法であることの確認を求めるものである。

2009年9月6日日曜日

第1回口頭弁論報告(1) みなさま、応援ありがとうございました 原告の意見陳述書を公開します
















第一回口頭弁論終了後の報告集会(弁護士会館1002号室で)
9月4日の中野区警大跡地訴訟第1回口頭弁論は、おかげさまで傍聴席も満席の状態で迎えることができました。

傍聴に来てくださったみなさま、本当にありがとうございました。

仕事で行けないけれど応援光線を送るねとメッセージを下さった方もいて、とても励まされました。

口頭弁論終了後の報告集会にも、ほとんどの方が出席してくださり、弁護団から裁判についての説明を受けたあと、活発に質問や意見が出されました(質疑応答については、後日、ご報告する予定です)。


法廷で原告が裁判官に向かって読み上げた意見陳述書は次の通りです。




意見陳述書

東京地方裁判所民事第3部御中                             
平成21年9月4日
 私たちは、「警察大学校等跡地」の近隣に居住する住民です。私たちはこの跡地内に中野区が示した「中野中央公園」を1.5ヘクタールとした計画にいきどおりをもっています。

 
2001年の計画では4ヘクタールの防災公園とそれにつながる緑地でした。高い建物の計画もなく、何かあった時の避難場所としてふさわしい場所だと思っておりました。

 ところが「警察大学校等跡地」内に計画されていたゴミ処理施設が白紙になると、区は民間大規模開発に方針を変えてしまいました。そして現在の計画では南側に壁のようなビルと西側には大学のビルがそびえたっています。東側にはNTTの黒ビルに加え、囲町公園のあった所には商業ビルが建ち、北側には既存のマンション、野方警察に加え、警察の宿舎、統合中学校、官舎が予定されています。 これらに囲まれた1.5ヘクタールの公園に何かあった時に逃げ込むのです。

 高い建物に囲まれた公園は日がほとんどあたりません。また強いビル風も予想されます。高い建物が建ち並ぶ街区になれば、近隣の木造密集市街地に火事が発生したとき、周辺とは異質なビル群にかえって火事を呼び込むおそれもあります。そんな場所に避難しなければなりません。

 警察大学校等跡地を含む中野駅周辺の避難場所は1人当たり1.07平米といわれています。この面積の中で2、3日過ごさなければならないのです。トイレにも行かなければなりませんし、眠らなければなりません。そう考えるとこの数字は非人間的です。数あわせの数字としか思えません。

 私たちは「中野中央公園」の面積を約1.5ヘクタールとした都市計画決定が、違法であると確信しています。

 この状態を孫子の代へ引き継ぎたくはありません。

 以上をもって私の意見陳述を終わります。


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2009年9月3日木曜日

9・1防災の日関連サイト








独立行政法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センターにおける実物大木造家屋の倒壊実験(2007年2月)

 2009年9月1日は防災の日でした。

 中野区は、8月30日に予定していた防災訓練の会場となる小中学校5校のうち、4校が投票所となってしまうため訓練を延期しました。

 本来ならば、広域避難場所であるはずの警察大学校跡地(中野駅北口)で、高層ビルが直下型地震で被災したことを想定した訓練が必要なはずです。

 以下にあげましたのは、防災の日に関連したサイトです。

 なかには専門的な情報も含まれていますが、みなさまのご参考になれば幸いです。


■独立行政法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター

地震に強い社会を目指して

1995 年1月17日に発生した兵庫県南部地震では、6,400人余りの方々が亡くなり、数十万人の人々が家を失った記憶は、未だ人々の脳裏に鮮明に焼き付いています。この地震では、ビルや高速道路高架橋が倒壊し、水道やガスなどのライフライン施設にも大きな被害が生じ、これまでの多くの地震災害以上に、現代都市機能と社会基盤施設のもろさを浮かび上がらせました。

兵庫県南部地震の経験から、私たちがそれまで安全だと考えていた構造物の中にも、直下型地震による揺れに対しては、必ずしも安全であるとは限らないことや、それまで設計で考えていたよりもずっと揺れが強い場合があることがわかりました。そのように強い揺れに対しては、今までとは違った耐震設計の考え方が必要となります。きわめて強い地震の揺れに対しては、構造物にある程度の被害を許した上で人命は守るという設計思想です。  

このような「強い揺れのもとで、構造物がある程度壊れるのは許すが、人命は損なわない」という設計法を確立するためには、実大規模の試験体を用いた実験によって、実証・確認していかなければなりません。過去の地震被害事例が貴重な知見を与えてくれるとはいえ、画期的な地震防災技術の開発を進めていくには、詳細に計画された実大震動破壊実験によって、新しいデータを得ていくことが不可欠です。

加震実験映像
http://www.bosai.go.jp/hyogo/movie.html

更新日時:2009年8月24日 13:47:50

■首都直下地震の対応確認=8都県市と連携-政府防災訓練

9月1日12時24分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090901-00000065-jij-soci

■ケンプラッツ 建築・住宅
巨大地震再現(1)腰壁の付いた鉄筋コンクリート柱が破壊

2009/09/01

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20090831/535028/

■ケンプラッツ 建築・住宅
巨大地震再現(2)新耐震基準の鉄骨構造が層崩壊

2009/09/02

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20090901/535022/

■【神奈川】
実戦想定“ミニ川崎” 8都県市防災訓練 東扇島東公園、主会場に

2009年9月2日 東京新聞

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20090902/CK2009090202000109.html

■NHKスペシャル「首都直下地震 見逃された危機」

更新日時:2009年9月2日 10:30:37

http://www.nhk.or.jp/special/onair/090901.html

今後30年間に70%の確率で起こり、最悪1万人以上が死亡すると国が想定する首都直下地震。これまでは、早朝夜間の地震での被害想定に焦点があたってきた。ところが、内閣府が半年前に出した最新の報告などで、平日白昼の地震を想定したところ、巨大都市特有のより深刻な事態が生じることが明らかになってきた。高層ビルのオフィスでは、多くのけが人が発生。エレベーターは停止し、“閉じ込め”が多発する。救急隊は期待できず、一般の人が救出にあたらなくてはならない。さらに、企業の操業停止で経済は長期低迷。住宅地では家やマンションの使用が困難となる。企業と人口が集中する東京の“機能停止”は、日本の経済、社会を脅かしかねない。

人々は、企業は、社会は、生き延びることができるのか。最新の研究から被害の全体像を明らかにし、サラリーマンとその家族の目線で被災の困難さを描く。対策に取り組む現場への取材、被害想定のミニドラマなどを通して、首都直下地震の脅威に警鐘を鳴らす。


■警大跡地行政訴訟 第1回口頭弁論■

《日時》9月4日(金)午前10時15分~
《場所》東京地裁 522号法廷
    地下鉄「霞ヶ関」駅A1出口すぐ

2009年9月1日火曜日

9月4日、第1回口頭弁論 傍聴をお願いします
















F字道路と区画道路の整備工事が進んでいる警大跡地

いよいよ9月4日(金)に、第1回口頭弁論が開かれます。
原告団は今、意見陳述と映像によるプレゼン準備の最終段階に入っています。

実はこの映像が、手前味噌になりますがとてもよく仕上がっています。

開発計画の概要に始まり、中野区・杉並区の防災面の脆弱性、開発で中野区に唯一残された火災危険度が最も低いランク1の地帯が失われてしまうこと、数字上の避難有効面積がいかに現実味のないものか、などなど……。

警大跡地周辺の方々だけでなく、都市の避難場所をどう考えるか、

行政が開発で優先させるべきものは何かという点などで、多くの方々と問題意識を共有できる内容だと思います。

どうかどうか、9月4日の口頭弁論の傍聴をお願いします。

そして、法廷デビューの私たちを傍聴席から応援してください。

みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。


警大跡地行政訴訟 第1回口頭弁論

《日時》9月4日(金)午前10時15分~
《場所》東京地裁 522号法廷
    地下鉄「霞ヶ関」駅A1出口すぐ

2009年8月8日土曜日

裁判所でリハーサル


















法廷内での写真撮影は禁止されているので、裁判所前で記念撮影。すぐ隣では、裁判ウォッチャーとして有名な阿曽山大噴火さんが、テレビの取材を受けていました。阿曽山さん、私たちの裁判をウォッチしてくれるかな?


 2009年8月7日(金)、東京地裁で、第1回口頭弁論で原告が行うプレゼンテーションのリハーサルを行いました。場所は本番と同じ522号法廷。一歩足を踏み入れると、「ここで、いよいよ裁判が始まるのだ」という闘志がわいてきました。

 9月4日の第1回口頭弁論では、意見陳述と映像で、原告の主張をプレゼンする予定です。当日原告団に与えられた時間は約15分。本番で、もたもたしては、せっかくのプレゼンが台無しになってしまう可能性があります。裁判所が用意したプロジェクターと原告側が用意したパソコンで映像がきちんと映るかどうかや所要時間などを、本番さながらに試しました。

 午前11時、弁護団から花澤先生が駆けつけて下さり、早速リハーサル開始。でも映像がきちんとスクリーンに映るまで少し時間を要しました。また、照明を全部消すと資料が読めないのでこのくらいの明るさにしようとか、ここに人がいるとスクリーンに影ができるねなど、実際にやってみてわかることも多く、リハーサルの必要性を実感。

 口頭弁論まで1ヶ月を切りました。9月4日までに、みんなで侃々諤々やりながら、裁判官や被告である中野区、そして傍聴者の方に、計画の問題点と、私たちがなぜ裁判に訴えているのかが伝わる資料になるよう練り上げて行きたいと思っています。

 みなさま、9月4日の口頭弁論の傍聴をぜひお願いいたします。

*2件の提訴のうち、9月4日は、防災公園の面積縮小の違法性を問う裁判の口頭弁論です。
  もう一つの、警大跡地の計画の取消しまたは違法性を求める裁判の口頭弁論は、10月16日(金)、午後1時45分からの予定です。

2009年8月6日木曜日

9月4日(金)東京地裁で第1回口頭弁論開始

2009年9月4日(金)午前10時15分、東京地裁522号法廷で防災公園関連の第1回口頭弁論が始まります。

ここで、ふたつの裁判の訴状の要旨を公開いたします。

みなさまのご理解とご協力をお願いいたします。




































■東京地方裁判所

見学・傍聴案内 傍聴の手引
http://www.courts.go.jp/kengaku/botyo_tebiki.html
東京地方裁判所(本庁)アクセス情報
http://www.courts.go.jp/tokyo/about/syozai/tokyotisai.html

2009年7月30日木曜日

警大跡地市民フォーラム通信第1号を発行しました

 去る7月23日、警大跡地市民フォーラムは「警大跡地市民フォーラム通信 第1号」を発行しました。
 みなさま、どうかよろしくお願いいたします。






















































































2009年7月27日月曜日

1人1㎡の避難面積を体験して見えたもの































警大跡地訴訟第1回報告会で、1人1㎡を体験する参加者のみなさん(2009年7月23日 中野サンプラザで)

中野サンプラザや中野区役所、そして警大跡地を含めた中野区役所一帯で地震火災などから避難するための避難場所として、1人当り約1㎡を確保している、と中野区は説明しています。でも、東京都23区の避難面積の平均は1人3.4㎡。三分の一の広さもありません。1人1㎡で、安全に避難できるのでしょうか?


 ということで、7月23日(木)、中野サンプラザで開催した、警大跡地行政訴訟の第1回報告会では、この1人1㎡を参加者のみなさんと体験してみました。
 現在、私たちは二つの裁判をしていますが、その一つである、避難場所の中核となる公園の面積削減の違法性を訴える争点とも関連しています。
 幅1m、長さ3mのマットに1mごとに線を引いたものを2枚用意。これで6人分の避難面積の出来上がり。参加者のみなさんのご協力をいただいて、マットの上に乗ってもらいました。
 上の写真は各々のスペースに座ったところ。座った男性からは早速「これじゃあ、荷物は小さめのリュック一つしか置けないな」という声があがりました。写真ではそれなりに隣の人との距離があるように見えますが、荷物を置いたり足を伸ばしたりするのはかなりきつそうです。避難スペースに寝てみたら、下の写真のようになりました。寝返りや、通路として人が歩く余裕はありません。季節が冬だった場合、着ているものによっては隣人と触れ合うくらいの距離になりそうです。
 体験者や見ていた参加者から「これは狭い」「寝るのは無理」「ストレスが溜まりそう」などの感想が聞かれました。
 実際に災害が起きた場合、時間帯や日によっては想定人数以上の人たちが避難するケースもあります。万が一の場合に備えた十分な広さの避難場所や安全性の確保は、基礎自治体である中野区の重要な責任です。
 これから新たに作ろうという公園を、なぜ中野区は小さくしてしまったのか。裁判でその本当の理由を明らかにしていけるよう、みなさまのご理解とご支援をお願いいたします。

2009年7月18日土曜日

良好な住環境を求めて新たな提訴
















警大跡地から見た中野サンプラザとNTTビル(2007年5月19日、警大跡地避難場所見学会で)
















本当はこんな風景になる予定だった(2007年5月19日、警大跡地避難場所見学会で)

 2009年7月16日、杉並区の住民らが、2009年6月22日付けで東京都が決定・告示した「東京都市計画地区計画決定」の取消し、または違法性の確認を求めて、東京地裁に訴訟を起こしました。
 原告となった住民らはいずれも、警察大学校等跡地に近接して居住しており、大規模な建物からの圧迫感や日照被害、騒音、通風の阻害などによって生活が妨害され、災害時には生命・身体に被害を受けるおそれがあるなど、住環境に著しい影響があるとして、計画の取消しを求めています。
 2009年5月21日に中野区を相手取り、公園面積の縮小は違法であると提訴した住民訴訟とともに、避難場所の確保と良好な住環境を求める裁判がいよいよ始まります。
 提訴内容の詳細については、来る7月23日(木)に第1回報告会を開催してご報告いたします。
 みなさま、ぜひおいでください。

警大跡地訴訟第1回報告会

期日:2009年7月23日(木)午後7時から8時半まで
会場:中野サンプラザ8階 研修室6
JR中央線・総武線/東京メトロ東西線「中野」駅 北口から徒歩1分
http://www.sunplaza.jp/access/index.html
会場費:500円

2009年7月17日金曜日

木々の亡き骸

















右(東側)の白い建物が野方警察署
















2009年7月14日撮影
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F字道路部分の樹木の伐採が6月30日に始まった。
写真は早稲田通り側、野方警察署の隣に置かれた伐採された樹木たち。

このあたりは、大きなスダジイたちがすっくと立って早稲田通りを通る人や車を見下ろしていた。
夏には陽ざしをやわらげ、心地よい緑陰をつくってくれた。
あるいは、季節になれば実をつけていたかもしれないウメやビワなのか。
掘り起こされ、剥き出しにされた樹木の根を前に言葉を失う。

約18へクタールの警察大学校等跡地のうちF字道路予定地だけで、52本の木が伐採される。

ムクノキ、サクラ、クワ、スダジイ
モッコク、サワラ、トウネズミモチ
クロマツ、クリ、タブノキ、シイノキ
ウメ、カキ、ビワ、ヒマラヤシーダー

守ってあげられなくて、ごめんね……

2009年7月14日火曜日

「だから、私たちは裁判することにした」警大跡地訴訟


第1回報告会

 5月8日の原告団結成記念シンポジウムから、あっという間に3ヶ月近くが経ちました。シンポジウムには100名を超える皆さまにおいでいただき、まことにありがとうございました。
 これまでの活動のご報告と合わせて、今後予想される裁判の流れなどをお話しいたします。
 ぜひ、ご参加いただきますようお願い申し上げます。


期日:2009年7月23日(木)午後7時から8時半まで

会場:中野サンプラザ8階 研修室6
JR中央線・総武線/東京メトロ東西線「中野」駅 北口から徒歩1分

http://www.sunplaza.jp/access/index.html

会場費:500円

2009年7月3日金曜日

中野区の回答に了解はできない!
















明治大学キャンパス予定地から撮影した警察大学校等跡地(中野駅そば)。奥に見えているのは警察病院。偶然隣で跡地を眺めていた男性が、「もったいないね……」とつぶやいていた。(2009年7月3日撮影)

 去る7月2日の中野区(担当:都市整備部公園・道路整備分野)の回答に対しては、その場でも、数々の疑問や質問が出されました。現況の早稲田通りの騒音データなどはあるのか、週1回の騒音・振動の計測は抜き打ちで行うのか(抜き打ちでなければ意味がない)、工事の進行によっては、予期せぬ事態なども起こる可能性があるのではないか、などなど。

 また、工事説明会ですでに住民に示されたパワーポイントの資料についても、情報公開請求の手続きを踏んでいては最低でも2週間かかってしまい、場合によっては樹木の伐採の後に入手することになってしまいます。

 時間切れできちんと話ができませんでしたが、交通安全指導員の配置についても、車両出入口に配置するのは当然で、私たちは、工事現場近くに学校や病院などがあることから、特段の配慮を求めているのです。

 今回の中野区との話合いの中で、区が検討するといったのは、施工者が行う騒音・振動の計測結果の公表についてだけです。

 警察大学校等跡地は、これから道路、公園の整備の他、東京建物グループの超高層の商業・業務ビルや、マンション、明治大学、帝京平成大学の施設の建設が予定されています。住民や通行者はかなりの期間、騒音や振動、工事車両の増加による交通上の安全などについての心配が続くことになります。公である中野区が、まずしっかりと周辺住民の声を聞き、配慮を実行してくれなければ、民間事業者の工事についても、不安は大きくなるばかりです。
 
 市民フォーラムでは、今回の中野区の回答について協議し、改めて対応する予定です。
 みなさまには、また、ご報告させていただきますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

警大等跡地工事にかかる要望書に対し中野区から回答

 去る6月26日、163筆の署名とともに中野区に提出した警大等跡地の工事にかかる3つの要望に対する回答が、7月2日にありました。要望事項(要旨)と回答の内容は以下のとおりです。
 文書による回答を求めましたが、それはできないとのことでした。その理由を尋ねましたが、説明をする必要がないとのことで聞き入れられませんでした(担当:中野区都市整備部公園・道路整備分野)。


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要望1.環境保全(騒音・振動の24時間連続監測)
 工事車輌出入場所と敷地内における騒音ならびに振動の24時間連続監測をお願いします。法令基準を超える数値が測定された場合は、しかるべき措置を講じてください。

回答1.
 工事の掘削機械は低騒音、低振動のものを使う。(警察大学等の)建物の基礎撤去についても低騒音の油圧破砕機で行う。また、防音シートで囲いを作りその中で破砕する。

要望2.みどりの育成(樹木の移植と復栽)
 私たちにとって思い出の深いサクラ・ユリノキなどを区内緑地に移植し、将来、該当地区に復栽していただくようお願いいたします。

回答2.
 2004年1月の特別委員会で資料(樹木の現況)を出したり、2004年に4回の現地視察会*をするなどの手続きを行ってきた。
 工事がすでに始まっているため、安全上の理由から立ち入りは断る。

*現地視察会=中野区拠点まちづくり分野が主催して2月、4月、7月、10月に希望者を対象に開催したもの。

要望3.交通安全(交通安全指導員の配置)
 工事車輌の出入経路における交通安全指導員を、必要な人員を必要な箇所にご配置ください。とくに学童の通学路や、市民の警察病院への通路には特段のご配慮をお願いいたします。

回答3.
 使用する工事車両の出入り口については交通安全要員を配置して、安全につとめる。

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 文書で提出した要望についての回答(口答)はこのようなものでした。
 このあと約40分、警大跡地市民フォーラムのメンバー6名(以下Q)と区の担当者6名(以下A、都市整備部公園・道路整備分野)で回答についてやりとりしました。

Q1: なぜ24時間監測ができないのか?

A1: どこで監測するかが問題になる。騒音の発生源は工事の進行に伴い移動するので、場合によっては工事以外の音も拾ってしまう。
 東京都環境確保条例や騒音規制法、振動規制法でも24時間計測は義務づけられていない。
 週1回、区が立ち会って施工者が計測を行う。
 今回の工事は土木工事の中でも単純作業なので騒音が出るタイミングはわかっている、コンクリートガラ撤去工事と重機で行う下水道の掘削工事だが、ガラの破砕は公園予定地まで運んで防音シートの囲いの中で行う。

Q2: 計測結果は住民に見えるようにしてほしい。

A2: 情報の出し方(計測結果の公表)については検討する。

Q3: 工事説明会の時にパワーポイントで示された、伐採・移植の樹木がわかる図がほしい。

A4: 情報公開請求してもらえば、公文書なので出せる。

Q4: 歩道上の木はできるだけそのまま残してほしい。

A4: 今の木の間隔で残すのは無理。交通法上、交差点に木を植えられない。

                                           以上、
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2009年6月27日土曜日

警察大跡地の現状























F字道路と中央部防災公園、東京建物グループの商業・業務ビルの予定地部分
左後方の白いビルは中野サンプラザ(2009年6月26日)

警察大跡地工事の看板























工事開始に伴い5月に閉鎖された仮設広場入り口(東側)に設置された工事のお
知らせ看板
左から、既存樹木の伐採・移植工事、汚染土壌改良工事、下水道工事
(2009年6月26日)

警大跡地市民フォーラム、工事要望書を中野区に緊急提出













































 6月23日(火)、「警大等跡地地区の工事説明会」が、発注者である中野区と施行業者の株式会社飛鳥の主催で行われ、参加した住民のみなさんからは、騒 音と振動、通学・通行者の安全への心配、また、既存樹木については52本が伐採、17本が移植と伐採が多いことへの懸念が示されました。

 警大跡地市民フォーラムは、伐採工事が30日に予定されていることから、発注者である中野区に上記3項目に対して緊急に申し入れを行うことを確認。市民フォーラムが取り扱い団体となって「警察大学校等跡地地区工事にかかるお願い」を、みなさんに提案いたしました。
 25日の1日で集まった署名の数は163筆。翌26日、中野区に提出しました。地域のみなさんが、警大等跡地工事に強い関心と要望を持っていることがわかりました。この思いを、田中大輔中野区長宛に届けることもできました。

 みなさん、本当にありがとうございました。
 今後とも、警大跡地市民フォーラムに深いご理解とご支援を賜りますようお願いいたします。

  なお今回の工事内容は、都市計画道路(通称F字道路)と中央部防災公園予定地における①樹木の伐採及び移植、②汚染土壌の改良、③下水道施設設置工事で す。工事期間は2009年5月23日から2010年1月28日。9月の第2期工事開始の頃、再度工事説明会が開催されます。

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警察大学校等跡地地区工事にかかるお願い


 去る6月23日に「警大等跡地地区の工事説明会」が開かれました。近隣住民並びに
警大跡地の開発に関心を寄せる私たちは、今般工事にあたり、取り急ぎ、以下の項目の実施を強く要請いたします。

                     記


1.環境保全(騒音・振動の2 4時間連続監測)


 工事期間中の当該地区の、とくに工事車輌出入場所と敷地内における騒音なら
びに振動の24時間連続監測をお願いします。法令基準を超える数値が測定された場合は、しかるべき措置を講じてください。

2.みどりの育成(樹木の移植と復栽)


 該当地区内における多数の樹木が伐採される予定です。私たちにとって思い出
の深いサクラ・ユリノキなどを区内緑地に移植し、将来、該当地区に復栽していただくようお願いいたします。とくに挿し木などの方法で、土地の固有種を未来に残してください。

3.交通安全(交通安全指導員の配置)

 工事車輌の出入経路における交通安全指導員を、必要な人員を必要な箇所にご
配置ください。とくに学童の通学路や、市民の警察病院への通路には特段のご配慮をお願いいたします。

                                                以上、


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2009年6月26日金曜日

2009年度相次ぎ着工 中野区庁舎など連鎖整備 警大等移転跡地















空から見た警察大跡地

















中野区の利用計画図 
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/023/03/d13400021.html

2008年12月18日「建設通信新聞」


 東京都中野、杉並の両区にまたがる警察大学校等移転跡地の開発計画が具体化してきた。特定目的会社(SPC)の中野駅前開発(開発業務受託者・東京建物)による業務・商業・住宅の複合開発、帝京平成大学や明治大学による大学施設、財務省の国家公務員宿舎が、2009年度に相次ぎ着工を予定している。さらに、早稲田大学の国際交流施設、中野区の新庁舎や統合中学校、警視庁の庁舎・宿舎などの建設も控える。同跡地のほかにも中野駅周辺では、さまざまな開発が計画され、街並みが大きく変わろうとしている。
 警察大学校等移転跡地(中野区中野4丁目、杉並区高円寺北1丁目)は、同大学校などが移転後、財務省が、土地を各事業者に売却した。
 他の事業者に先がけて用地を取得した自警会は、東京警察病院(設計・監理=日建設計、建築施工=西松建設・清水建設・大成建設・佐田建設・佐藤秀JV)を4月にオープンさせた。続いて鵜足津福祉会(香川県宇多津町)が、特別養護老人ホームなどの福祉施設の建設(設計・監理=松田平田設計、施工=飛島建設)を、09年4月の完成を目指して進めている。
 これに続き、中野駅前開発、帝京平成大、明治大が相次ぎ、建築計画を明らかにした。
 中野駅前開発は、4棟総延べ約19万6300m2の複合ビル「(仮称)中野プロジェクト」を計画。鹿島、大成建設、戸田建設の3社が参画している。11、12年度にかけて完成を目指している。
 帝京平成大は、看護、薬、児童、保育の4学科で構成する大学施設(設計=日本設計)を計画。学生・職員数約4000人、延べ約6万2600m2を想定している。
 明治大も、延べ約6万4200m2の大学施設を中野キャンパスとして計画。施設用途は、既存学部の移転や新学部の設置を検討しているものの、決まっていない。コンサルタント業務は、五味建築設計事務所(中野区)が担当している。
 早大は、定員900人規模の日本人・外国人学生共生型学生寮を含めた国際交流施設「国際コミュニティプラザ(仮称)」の建設を検討中だ。12年の開設を目指す。
 中野区は、連鎖的に施設整備を進める。同跡地北側の現中央中学校敷地に第九中との統合中を建設後、現第九中敷地に中野体育館を移転改築する。同体育館跡地には、区役所本庁舎を移転改築する。統合中は、10年度の基本設計、11年度の実施設計を経て、12年度の着工、13年度の完成を目指している。防災公園や区画道路も整備する。
 このほか、警視庁が野方警察署南側に庁舎・宿舎の建設、杉並区も居宅介護施設などを建設・運営する事業者の公募を計画している。
 警大跡地周辺では、中野区が今後、区役所・サンプラザ地区の再整備構想の策定に向けた検討に着手する。跡地東側の中野四丁目西地区は、東京都が09年2月の都市計画審議会に付議する「東京都市計画・都市再開発の方針」に、再開発促進地区の新規地区として追加した。跡地南側の囲町地区は、同区が地元住民らで構成する勉強会を立ち上げ、共同化や不燃化などの検討を進めている。

http://www.kensetsunews.com/

2009年6月22日月曜日

都心のオフィス空室率、16カ月連続上昇、4年8カ月ぶりの高水準

2009年6月12日 日経
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090612/159820/

オフィス空室率、16カ月連続上昇 都心有力ビルで2ケタも
2009年6月12日

 オフィスビル空室率の上昇が続いている。業績が悪化した企業によるコストの削減で、オフィス規模の縮小や撤退・閉鎖の動きがでている。東京千代田区や港区など都心部の有力オフィスビルでは5月末に空室率が2けたに上るケースがでている。空室率上昇が続けば、賃貸ビルを抱える不動産各社の収益に打撃を与え、新規のビル建築計画にも影響が出そうだ。
 仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が11日まとめた5月末の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィスビルの空室率は6.96%と前月比で0.17ポイント上がった。前年同月比では3.67ポイントの上昇となる。空室率の上昇は16カ月連続で、直近では2004年9月の7.15%に次ぐ水準。
http://blog.goo.ne.jp/tamoti112/e/7100e98a7b322907af809aaa22d87fd3

2009年6月20日土曜日

ブログを開設
















警大跡地市民フォーラムの会員及びサポーターの皆様

5月8日のシンポジウム参加者の皆様


 いつもご協力を賜り、心より感謝申し上げます。

 5月8日にサンプラザで開きました「私たちは裁判をすることにした」
シンポジウム以来、ご連絡が遅くなり、まことに申し訳ありません。

 5月21日に、防災公園の面積が大幅に縮小された違法性を問うため、
中野区を相手取り東京地裁に提訴しました。

 また、6月末か7月初めには、東京都を相手に、杉並区住民の良好な
住環境が侵害されることを理由に地区計画の取り消しと違法性を求める
を起こします。

 こうした動きを皆様に素早くお伝えするため、ブログを開設いた
しました。

 ご覧いただければ幸いです。

 今後とも何卒よろしくお願いいたします。

http://kdaiatochisimin.blogspot.com/

2009年6月17日水曜日

杉並区高円寺北1丁目は高さ制限10mの住宅地
















写真の右側が杉並区高円寺北1丁目、左側が中野区の警察大学校等跡地。低層住宅地の隣に高層ビルの建設が可能となる計画を、東京都と中野区は認めた。

ここは約10万人の避難場所の拠点になる防災公園予定地





















今はこんなに見通しのいい場所。しかし、開発が予定通り進めば、南側には高さ100m・横幅150mのビルが建ち、西側には高さ70mと55mの大学施設、東側にも高さ50m超の高層ビルができてしまう。

警察大学校跡地は中野駅そばにあります




















警察大学校跡地から中野サンプラザを望む。このままだと写真手前のこの場所が数年後には、高層ビル群のまちへと大きく変貌する。

2009年6月15日月曜日

警察大跡地再開発 住民が「違法」提訴 東京地裁

























中野区のJR中野駅北口にある警察大跡地再開発はメディアで報道された


さらにネット上でも意見表明が相次いでいる:

建築ジャーナル <デジタル>
発売日:2009/06/01 一冊定価:900円 (定期購読なら817円)
出版社: 建築ジャーナル
、市民84名が参加。JR中野駅前にある警察跡地大学校跡地の再開発計画を、6月に東京都が決定した場合、決定の取り消しと違憲性の確認を求めて、直ちに提訴することを明らかにした。中野区と大学校跡地に隣...
この記事はキーワード検索で現れた雑誌記事の断片

『都市計画審議会』傍聴のススメ
2009/05/29 (Fri)
http://tokeishin.blog.shinobi.jp/Date/20090529/


[News]警察大跡地再開発 住民が「違法」提訴 東京地裁
09年05月22日(金)
http://d.hatena.ne.jp/ogawa-s/20090522/p3

警大など跡地開発で行政訴訟へ
「東京民報」(09年5月17日)
http://homepage3.nifty.com/-miko-/keidai/sonota/img/20090517tokyominpo.pdf

[News]]中野駅前再開発 見直し求め提訴へ 住民ら原告シンポ開き表明(東京新聞5月9日)
2009/5/10(日) 午前 6:57
http://d.hatena.ne.jp/ogawa-s/20090509/p2

朝霞市基地跡地問題−朝霞基地跡地−
中野駅前 警察大学校跡地の再開発 都市計画決定の違法提訴へ
2009/05/10 06:57
http://rd.yahoo.co.jp/rss/l/blog/myblog/rss2/item/*http…

「東京建物」が話題のBlog記事
「防災公園狭い」と住民提訴へ
豊かなみどりの樹木が残っていた警察大跡地 中野区は1人あたりの公園面積は22/23位です。また、全国でも指折りの人口過密都市であり、大震災に見舞われたならば1/4が焼失するとも言われています。警大跡地を含めた中野区役所周辺は、中野・杉並区民97,000人の広域避難場所に指定されており、こうしたことも踏まえて、2001年には4haの「中央部防災公園」や2haの清掃関連施設を盛り込んだ「警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案」が東京都・杉並区・中野区の3者で合意され、現在の土地…
この記事は雑誌記事の一部を検索で紹介した断片
http://search.bkv.so-net.ne.jp/keyword/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%BB%BA%E7%89%A9
上記サイトで東京建物関連企業の相関アニメーションならびに話題がみえる

朝霞市基地跡地問題
一言メッセージ :市民の声を反映した基地跡地整備計画を作ろう!朝霞市の基地跡地について、皆で考えてみましょう。
中野駅前 警察大学校跡地の再開発 都市計画決定の違法提訴へ
09年05月09日
http://blogs.yahoo.co.jp/asaka_kichimondai/52099797.html
この記事は他の多くのブログで引用されリンクの中心になっている

警察大跡地の開発計画をめぐり住民が提訴する準備(「東京」2009年5月9日)
http://homepage3.nifty.com/-miko-/keidai/sonota/img/20090508tokyonewspaper.pdf

再開発反対の住民らシンポ 中野区の警察大学校跡地
2009.05.08 共同通信
http://homepage3.nifty.com/-miko-/keidai/sonota/sonotainfo.htm#69

再開発反対の住民らシンポ 中野区の警察大学校跡地
2009.5.8 22:56 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090508/lcl0905082256003-n1.htm

警察学校跡地 再開発 (株)インターカタログネット
http://itot5.jp/nakanoku/114
この記事は不動産業者の取材・作成

新しい中野のまちづくりの先陣を切る「警察大学校跡地の再開発」
http://nakano.itot.jp/416
この記事も上記不動産業者の取材・作成

中野駅前に早稲田など3大学 警察大学校跡地再開発 区『産業振興の弾みに』
NIKKEN-TIMES
2008年12月13日14:05 東京新聞
留学生を含む学生寮の機能を持つ「国際コミュニティプラザ(仮称)」を建設し、「大学教育の国際化」の中核を目指す。明治大は約二万平方メートル取得し、地上十六階建てビルを建設。約一万七千平方メートル取得した帝京平成大も地上十二階建てのビルを建てる。
http://www.nikken-times.co.jp/new/20081213.3/1229144700.html
以下の事態のなかでの大学進出を報じた東京新聞記事の引用

警察大学校等移転跡地・その周辺地区のまちづくり
更新日 2008年9月5日
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/023/03/d13400021.html
下記の事態を踏まえた住民不在の中野区の行政姿勢の表明

「中野警察大学校」跡地を落札、大規模再開発を推進/東京建物ほか
2007/7/2 18:00 更新
http://www.re-port.net/news.php?ReportNumber=13043
古い記事だが警察大跡地が民間主導の再開発に決まった記録

2009年6月13日土曜日

だから、私たちは裁判することにした
















2009年5月8日 原告団結成シンポジウム開催、立ち見の人も多く(中野サンプラザで)


警察大学校等跡地開発計画の違法性を司法に問う

 警大跡地をご存じですか。中野駅北口に広がる、およそ14ヘクタールもある大きな場所です。東京ドーム3.5 個分に相当します。かつて陸軍中野学校があったところでもあります。今の季節には、広々とした敷地に多くの樹木が風に若葉を揺らせています。

 2001年に警察大学校などが移転した後、その跡地には警察病院(2008年竣工)や清掃工場、防災公園の3施設が建設されることになりました。しかし、清掃場建設の白紙撤回が検討されたのをきっかけに、2002年以降、計画は大きく変わりました。防災公園の面積は4ヘクタールから1.5 ヘクタールに削減され、その代わりに高層ビルを中心とした開発計画が強調されるようになりました。一昨年、その方針のもと、同跡地開発計画は「中野四丁目地区地区計画」として都市計画決定され、民間事業者(東京建物、明治大学、帝京平成大学、早稲田大学など)に売却されました。5月の東京都都市計画審議会では、容積率などを変更した地区計画変更案が原案のまま承認され、6月中旬には都市計画決定される可能性が非常に高いと考えています。

 それでもなお敢えて、私たちはこの計画の違法性を司法に問いたいと思います。

 私たちは、今回、争点としている9万人超の中野区民と約5,000人の杉並区民の避難場所の拠点となる防災公園の安全性や、杉並区側の住宅地への日照、高層ビルが間近に建つ圧迫感などについて、これまで繰り返し、中野区及び東京都に対して配慮を要望してきました。陳情・請願や要望書、署名の提出、行政との意見交換会への出席など、ありとあらゆる手段を通じて中野・杉並両区民の意見を計画案に反映させるよう訴えてきました。しかし、残念ながら、その訴えが実を結ぶことはありませんでした。

 跡地は売却されましたが、まだ建物が建っているわけではありません。裁判を通じて、皆様のご理解とご支援を高め、勝訴することで計画の見直しが行われることをめざします。

 警大跡地に留まらず、全国各地ではマンション紛争や道路建設など都市計画をめぐる紛争が頻発しています。開発計画の全てを否定するものではありませんが、その検討のプロセスにおいて行政からの充分な情報公開と説明、住民意見の反映が行われることが不可欠と考えます。

 私たち、警大跡地市民フォーラムはここに改めて、全国各地でその実現に向けて裁判あるいは裁判以外の方法で奮闘する多くのグループの輪に加わることを宣言します。皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。

2009年5月8日

警大跡地市民フォーラム結成会合参加者一同


賛同団体:高円寺の環境を守る会/ まちの力・中野/警察大学校等跡地に緑と青空の公園をつくる会/市民オンブズパーソン中野/桑の実会/ 東中野をおもしろくする会ほか

関連:
「警大跡地原告団結成シンポジウム【警大跡地市民フォーラム】」(新建築家技術者集団 東京支部 スケジュール)
http://shinkenkikaku.dtiblog.com/blog-entry-441.html
「警大など跡地開発で行政訴訟へ 住民が原告団結成シンポ 中野区」(『東京民報』、2009年5月15日)
http://www.tokyo-minpo.jp/keidaiatoti090508.html
ビバ中野!『警察大学校跡地』観察のススメ。(2009-06-12 07:38など)
http://atochi.exblog.jp/i4/
『建築ジャーナル』(発売日:2009/06/01)
http://www.fujisan.co.jp/zasshi-kensaku.asp?sid=248732&q=%8Es%96%AF
毎日の体験を記す場所
http://d.hatena.ne.jp/ogawa-s/20090509
『都市計画審議会』傍聴のススメ。
http://tokeishin.blog.shinobi.jp/Page/2/
警察大学校等跡地利用計画問題
http://homepage3.nifty.com/-miko-/keidai/keidaitop.htm


中野駅前 警察大学校跡地の再開発 都市計画決定の違法提訴へ



<東京新聞2009年5月9日>

  東京都中野区のJR中野駅前にある警察大学校跡地の再開発をめぐり、同区と跡地に隣接する杉並区の住人4人が、跡地に計画された防災公園が狭く、避難場所 としての安全性を確保できないなどとして、都に都市計画決定の違法確認などを求める訴えを、6月中に東京地裁に起こす方針を決めた。
 跡地は約13万㎡。2001年に警察大学校が東京都府中市に移転後、中野区などの再開発計画に沿って、国が西半分を早稲田、明治、帝京平成の三大学に売却。残りは東京建物が開発業務を受託した駅前開発特定目的会社(SPC)が取得した。
 都市計画によると、明治、帝京平成の二大学が高さ50~70mのビルを建設。SPCも最大地上22階建てマンションを含むオフィスビルを建設する予定。都市計画は都が6月中にも決定する見込み。