7月26日、提訴から1年の報告集会を開催しました。
警大跡地市民フォーラム発足時から会員として支援いただいている参加者の方の感想をご紹介します。
裁判支援に加わった初心
改めて思い起こす
昔懐かしい雰囲気の木造の舞台付大広間。
昼からの熱暑の続く会場にクーラーはない。
扇風機を配置し座卓をならべた満座の熱気のなか開幕。
《スライドによるプレゼンテーション》
●わかりやすい導入
報告では、これまでいろいろな会場で活躍してきた投影画像(パワーポイント)を駆使、解説を加えた完成予想画像や避難状況のシミュレーション画像などで、警大跡地利用計画の問題点と不当性が簡明に提示された。
それぞれの担当弁護士の説明を聞くに際し、これは参加者にとってとてもわかりやすい導入部になった。
●訴えの正当性を再確認
私たちの側の訴えの正当性を再確認するとともに、「原告適格」と「処分性」の法の壁をどう突破するか、多くの行政訴訟同様に楽観を許さない厳しいものが依然としてこの訴訟にもあるということを改めて噛み締める。
《日置雅晴弁護士の記念講演を聞いて》
●立法府を変える世論形成を
建築学会・日弁連・国などの法改正への近年の動きや住環境を守る自治体行政の先進例が紹介された。
富田・花澤両弁護士の話と重ねて、建築・まちづくりにかかわる日本の法体系が、技術論先行で明確な理念を持っていないのではないかとの感をますます強くした。
理念のはっきりした上位法がない以上、法廷での争いも、そして判決も、技術論型の現行法の制約を引きずることになるのだと思わざるを得ない。
一方、「規制緩和」という名の改悪を重ねてきた現行法のもとでも、住民運動や訴訟の積み重ねのなか、住民側勝訴の最近のいくつかの判例や自治体での行政努力の事例があることも紹介された。
相次ぐ爭訟や自治体の動き・社会状況の変化と相まって、理念の明確化をめざす建築基本法制定など法改正への動きが活発になってきていること、今後1~2年が法改正の正念場になるとの話は、住民運動を取り巻く状況が大きな曲がり角を迎ようとしていることを強く印象づけるものだった。
政府の諮問会議での議論、建築関係諸団体による議論・提案、日弁連提案などについての話からは、今後の綱引きが激化するであろうことも垣間見えた。
住民運動の側からの見極めがいっそう重要になってくるに違いない。
住民の思いを反映した立法・法改正へと進むには、立法府を変えるほどの世論をつくれるかどうかにかかっていよう。
住民運動と結んだこの裁判がしっかりたたかわれれば、結節点を迎えようとしている法改正の動きのなかで、判決のいかんにかかわらず世論形成に寄与できるのではないかーー裁判支援に加わった初心を改めて思い起こした。
日置弁護士の講演の後、中野駅南口、東中野地域のまちづくり、中野サンプラザ問題に取り組むグループからの報告、また杉並や川崎、朝霞など中野区外の参加者の方々からも各地での都市計画問題に対する活動が紹介され、会場では活発な意見交換が行われました。
次回は地区計画の取消しを求める裁判です。
ご支援よろしくお願い申し上げます。